[感想]第12話 かくしごと[考察]

[感想]第12話 かくしごと[考察]

タイトル

第12号「ひめごと」

アバン

隠し子?

18歳の誕生日、姫は可久士の「隠し事」を知りました。

鎌倉の家で姫が考えるのは「可久士が隠し事を辞めた理由」

と、そこに現れたのは男子学生。

「はじめまして、姉さん。」

姫は可久士の隠し子かと察しますが、笑いながら否定されるのでした。

Aパート

可久士の真実

もちろん、姫も隠し子ではありません。

隠し子なのは「可久士」なのです。

彼は何代目かを襲名した歌舞伎役者「石川なんとかェ門」

可久士は「梨園の妾の子」

つまり、可久士とェ門の母は腹違いの兄妹なのです。

歌舞伎と日本家の大家という芸術家の血筋が備わった姫。

可久士が結婚を反対されたのは相容れない芸術家同士の「とばっちり」でした。

それを知ったところで姫はショックでもなくむしろ一安心。

可久士と「本当の親子」であることが知れたから。

それは可久士が「優しすぎる」ことに疑問があったのでした。

一方、週刊誌の記者となった奈留。

彼女が調べるのは「可久士が遭遇した事故」

当時、彼と元同寮の青年との取材の機会を得ます。

とはいえ、それを記事にするつもりはなく個人的な興味。

「少しでも現状を変える」ために。

可久士は倉庫で働いていました。

ある時、「週刊少年ジャンポ」の荷物整理があったのです。

可久士はそれをフォークリフトで運ぼうとした時にそれは起こりました。

破けていた包装から雑誌が飛び出し、大量の雑誌の下敷きになってしまったのです。

それを招いたのは、誰かが漫画を読むために包装を剥いた人がいたから。

ですがそれは可久士であることはありません。

なぜならその青年に対し、可久士は漫画を「嫌い」と言っていたから。

その事故のせいで、可久士は1年以上も寝たきりになっているのです

漫画から逃げた漫画家が、漫画に押しつぶされてしまった。

漫画家を辞めた後、可久士は慣れない肉体労働を転々としていました。

家を手放さなければいけないほど生活が困窮していたのです。

それは「可久士の奥さんの捜索に貯金を使い果たした」から

姫が生まれてまもなく起こった海難事故。

捜索が打ち切られても、可久士は個人で業者を雇って探し続けていたのです。

姫が中学生の時、奥さんを待ち続けていることが週刊誌に取り上げられました。

「もう読者に笑ってもらえない」と悟った可久士は自ら筆を折ったのです。

ですが、「風のタイツ」はちゃんとした形で最終回を迎えました。

仕事と収入を失っても、姫はちゃんと高校に通わせることはできたのです。

一方、姫は祖父から受け継いだ日本画の才能が開花し、賞を取るほど成長したのでした。

可久士はどんなときでも姫の前では笑い続けていました。

ェ門の母もまた姫のことをずっと気にかけていたのです。

姫に鍵を持ってきたのも彼女。

元々、彼女は可久士から家ごと鍵を託されていました。

何かあったときのために、中身をバラして家を売却。

そしてそのお金を姫の生活の足しにと考えていたのです。

ですが、ェ門の母は中身をバラすことはありませんでした。

それは可久士の「描く仕事」を姫に見せたかったからなのです。

2つのニュース

ェ門がかえろうとすると、そこに一子や探偵団の仲間たちが。

一子が持ってきた「いいニュース」「可久士の意識が回復した」こと。

そして「悪いニュース」は…

病院に駆けつけた姫が見たのは、姫を認識できない可久士でした。

Bパート

空白の7年間

アシたちも病室へと駆けつけます。

可久士が患ったのは「記憶喪失」

とはいえ、可久士は姫を忘れてはいません。

しかし、彼の中での姫はまだ10歳。

つまり、最近7年間の記憶だけが失われているのです。

医者が考えるのは、7年前に印象的な出来事を及ぼしたから。

羅砂はそれが「可久士にとって一番楽しかった時期」だと察するのでした。

姫の選択

可久士は病室の脱走を図ります。

それは「姫に会いたい」から。

そんな可久士を羅砂は諭します。

なにより、今のままでは「指先ぐらいしか自由に動かせない」から。

そこで可久士が思いついたのは「読者のためにタイツの続きを描く」こと。

彼の中ではまだ「風のタイツ」は終わりを迎えていません。

ですが、ショックを与えないためにもその事実は伏せておくことに。

可久士の言葉に乗っかり、アシとともに病室で漫画を描き始めます。

姫は可久士の仕事姿を初めて目にするのでした。

可久士が気になるのは姫…というより18歳の少女の存在。

「新しいアシスタント」と可久士に聞かれ、姫は淀みつつもその問いに肯定。

可久士が姫に頼むのは、10歳の姫の面倒を見ること。

動揺しつつも姫は了承し、姫が帰ってくるまでは「先生」のお手伝いをすることに。

洗濯を干す姫。

そこに一子や友だちも手伝いに現れます。

一子が尋ねるのは「隠し事に気付いていたか否か」

実際、姫は可久士の隠し事には気付いていませんでした。

そのせいで知らないままに優しさに甘えていたことを嘆いています。

今回、初めて可久士の仕事姿を見ました。

彼が漫画を描くのが大好きであることを知ったのです。

つまり、記憶を失ったままの現状の維持を望み始めているのです。

それは姫のことを思い出せなくても仕方のないことだと。

決心をした姫ですが、目黒川探偵事務所はいつか来る手伝いを名乗り出るのでした。

姫はロクの待つ家に帰宅。

しかし、彼女の目からは涙が溢れ出て来るのでした。

一番の幸せ

順調に漫画を完成させていく可久士。

アシたちはやる気満々ながら、この状況に一番頭を抱えているのは五月。

なぜなら、今では看板作家となった羅砂が拘束されているから。

アシたちのやる気の要因は「久々に見る可久士の漫画の描く姿」

可久士にとって、漫画に触れることこそ一番のリハビリなのです。

五月は編集としての現状の危うさを察し、アシたちを連れて病室を飛び出していきます。

残されたのは可久士と姫の2人。

姫は可久士が漫画を描くことに抱く想いを知りました。

だからこそ、それを手放させてしまった責任感を覚えています。

それゆえ、このままでいることが「先生」の一番幸せなのだと。

その言葉を可久士本人が否定します。

なぜなら可久士の一番の幸せは「姫が元気に大きく育つ」ことだから。

可久士の本心を知った姫は決心し、病室を飛び出して行きます。

空白を埋めるもの

姫は友人たちに「可久士に見せたいものがあるから」と手伝いを頼みます。

漫画を描くことが好きだと知った姫。

ですがそれよりも、姫自身が可久士が大好きなのです。

みんなと合流し、姫たちが訪れたのは鎌倉の家でした。

漫画を描き終えて帰ろうとするアシたち。

そこに姫たちが戻ってきます。

その手には大量の原稿が握られていました。

姫に促されるままに読むと、それは可久士が描いた覚えのない話ばかり。

可久士は戸惑いつつも読み進め、徐々に失った記憶を取り戻していきます。

みんなで漫画を描き、楽しい時を過ごし、姫が中学生になり、オンボロの家に引っ越して…

そんな日々でも姫には可久士がいるから大丈夫。

「これからもよろしくね。」

可久士は完全に記憶を取り戻しました。

そんな彼の前には成長した姫の姿が。

「お父さん、私18歳になりました。」

記憶を取り戻した可久士は姫から必死に原稿を隠そうとするのでした。

ひめごと

高校に通う姫にも「隠し事」がありました。

それは「漫画を描いている」こと。

可久士にバレないように学校でこっそり描いているのです。

ですが、内容は下ネタではありません。

一方、可久士は五月と漫画の新企画の打ち合わせ中。

それもこれも、1年分の治療費を戒潟に突き返さないといけないから。

内容はもちろん「下ネタ」。

「大人だから」という理由で可久士が姫に隠し理由はもうありません。

…という打ち合わせを羅砂の職場で繰り広げられるのでした。

「隠し事はなんですか?」

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さいご

というわけで、かくしごと12話でした。


可久士の真実

まずは可久士の家庭環境。

可久士の方にビックリが隠されているとは考えていませんでした。

そんな複雑なものだと、結婚がすんなり行かなくてもおかしくはないかもです。

救いなのは妹ちゃんと仲が良かったこと。

記憶を取り戻した決め手はあの原稿が残っていたことですから。

鍵を渡したことに加え、影の功労者はまさに彼女でしょう。

「なんとかェ門」で名前付けられているのには笑っちゃいました。

次は事故と奈留の取材。

なんという皮肉な事故だったのか…

あの事件の真相が公になることはないのでしょうね。

奈留が変えようとしたのは姫の現状なのかな?

かなり近い場所で姫の落ち込みを見ていたでしょうし。

とはいえ、事故の真相を知ってもどうこうできるかはわからない。

姫に真相を知らせてもそれが好転の材料になるかもわからない。

それこそ奈留にとっては、姫のために何かをしたかったのでしょう。

最後は漫画家を辞めることになったきっかけ。

これも痛々しい真実が明らかになりましたね。

可久士は彼女の影をずっと追っていたわけですか…

それだけ3人で生きていく時間を夢見ていたのでしょう。

その想いが叶う世界線が訪れてほしかったものです。

マスコミは本当に…だな!!


姫の選択

ここは1番つらい展開でした…

特に姫が娘として振る舞わないところがつらい。

そしてロクだけにしか見せない涙。

大好きだからこそ姫は気を使うのでしょうね。

たとえ記憶がなくとも、可久士が生きていることは何よりでしょうし。

可久士が目覚めない1年の積み重ねも影響していたでしょう。

ずっとずっと目が死んでいましたからね、目に見えて分かりました。


一番の幸せ

可久士とアシについて。

この関係、いい…

たとえ連載が終わっていたとしてもそれは変わらないんですね。

それだけアシにとっては充実した日々だったのでしょう。

ちゃっかり羅砂さんが漫画家になっているのはビックリ。

全く別分野のクリエイターになっていそうな気がしました。

それもまた可久士と過ごした日々が影響したのかも。

実際、「ニュー後藤プロ」ですからね。

姫と可久士。

こっからの盛り上がり方は半端なかったですね。

姫の目が生き返るところがめちゃくちゃ好きです。

その前の姫の涙に緩められ、このシーンで私の涙腺は決壊しました。

可久士にとっては姫が一番。

これは姫だけが知らなかった事実かもしれませんね。


空白を埋めるもの

自分の原稿で記憶を取り戻す展開、最高じゃないですか…

それにあの記憶を取り戻していく演出ですよ。

あそこからの「18歳になりました」はボロ泣きは確定事項です。

この瞬間に私にとって「かくしごと」は傑作中の傑作になりました。

ありがとう、かくしごと…


ひめごと

今更知ったんですが…

「隠し」と「秘め」だったんですね!

可久士はともかく、姫にも言葉遊びが潜んでいるとは思いませんでした。

まあキャラは全員と言っていいほど言葉遊びが為されていますからね。

迂闊でした。

姫も漫画を描き始めているのは面白いですね。

結局、両親どちらの才能も色濃く受け継いでいるわけですね。

姫は可久士に秘めながら漫画家をすることになるのかな?

逆の立ち位置での話の展開は見てみたいです。

「お父さんにバレたらどうすんの!」ってセリフがまさにそれ。

あのフレーズはそこはかとない尊さを感じさせてくれました。

とにかく、この2人の暮らしが続いていくのが何よりですね。

最終回までいいものを見させてもらいました。

原作の方も読みたいものです。


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© 久米田康治・講談社/かくしごと製作委員会

かくしごと(12): KCデラックス
久米田康治(著)
講談社 (2020-07-17T00:00:01Z)

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